安全で心地良い住まいに欠かせない屋根

屋根について

屋根材の重要性
普段は目にする機会が少ない屋根ですが、安全で心地良い住まいには欠かせない建材のひとつ。屋根材は快適な暮らしに直結しています。
適切な屋根材を選ぶには、屋根の役割や重要性を認識することが重要です。
災害が多い日本では屋根の防水性、断熱性、耐震性、耐風性、耐久性が求められます。

屋根の役割

住まいを雨から守る(防水性)

日本では統計上、4日に1度は雨が降っており、梅雨というシーズンもありますので、雨から家を守ることの重要性はとても高いものです。
日本の住宅は木造で、木材は水分や湿気によって腐朽・劣化という弱点があります。
雨漏りは木造住宅にとって致命的な欠陥になりかねません。
もし、屋根が破損して雨漏りを放置してしまうと、建物内の湿度が高まり、 生活が不快になるだけでなく、柱、内外壁、外壁などいたるところが腐食します。
これが家の中心にある柱などにまで被害が出れば耐震性も低下し、建物自体の寿命を縮めることになるでしょう。

また、屋根は、屋根面からの漏水だけでなく、外壁や、外部の建具まわりなど外部の開口部からの漏水を未然に防ぐ役割も果たしています。
上から落ちてくる雨を、屋根の木材に直接当てず、また、壁面に染み渡らないように地面に誘導するといった様々な配慮がされているのです。

住まいを火事から守る(防火性)

木造建築では屋根は木材でできていますので、近隣で火災が発生すると、降って来る火の粉で延焼しやすくなってしまいます。また、火は上に上がりますから、家の中で火災が発生すると、屋根は類焼してしまう原因ともなります。このため、江戸幕府は家屋に瓦を使用するよう推奨しました。
現代では、屋根材には不燃材料・不燃下地を使っています。これにより、もらい火による火事の被害を少なくし、防火性を向上させています。

建物内の温度調節(断熱性)

夏は暑く、冬は寒い日本において、屋根の重要な役割のひとつが、温度調節です。
屋根は陽射しを直接受け、常時、外気と触れていますますので、断熱性が必要不可欠です。断熱性を高めることによって、暑い夏でも室温上昇を最低限に抑え、冷たい雪が降る冬においても、暖かく快適な室温を保つ手助けをしてくれています。
屋根の温度調節機能がなければ、私たちは快適に睡眠をとることができなくなってしまいます。また、屋根の断熱性によって屋根裏が結露してしまうことを防ぎ、耐久性を上げることにもつながっています。
温度調節は断熱材でもできると思われる方もいらっしゃると思いますが、特に夏場は、屋根裏の温度上昇をうまく抑えないと断熱材が蓄熱し、冷房が効かないという現象が起こります。そんな時には屋根の工法を変えることで、家を涼しくできます。

住まいを地震から守る(耐震性)

地震の多い日本において、家を守るためには耐震性は欠かせない条件です。
建物は、屋根を軽くすると重心が低くなり、地震による揺れを少なくすることができます(ただし1981年以降に建築された家は構造計算がしてあるため、むやみに屋根を軽くする必要はありません)。

屋内外の音を遮断(遮音性)

屋根には、外で響く音をさえぎって、室内を静かで快適に保つ効果もあります。逆に、家のなかで発生する音を外に漏らさず、近所迷惑にならないようにするうえでも、屋根の存在は重要です。

メンテナンス時期

施工方法
メンテナンス時期
葺き替え・締めなおし
30~35年
劣化チェック
  • 瓦のずれ
  • 瓦の割れ
  • 瓦の色変わり

メリット

・屋根材の中で最も長持ち
・劣化で色が剥げない
・遮音性が高い

デメリット

・初期費用が高い
・重さがある
施工方法
メンテナンス時期
塗装
10~15年
施工方法
メンテナンス時期
葺き替え・カバー工法
20~30年
劣化チェック
  • 塗装の剥がれ
  • カビ・コケ
  • ひび割れ
  • 色変わり

メリット

・費用が全体的にお手頃
・シンプルですっきり
・色合いが豊富
・軽い

デメリット

・塗膜が酸に弱い
・荒天候で割れる事がある
・退色する
施工方法
メンテナンス時期
塗装
10~15年
施工方法
メンテナンス時期
葺き替え・カバー工法
25~30年
劣化チェック
  • サビ
  • 釘抜け
  • 屋根の浮き
  • 塗料の剥がれ
  • 雨風で聞こえる金属音
  • 色変わり

メリット

・屋根の中で最も軽い
・防水性が非常に高い
・屋根の形状に合わせやすい

デメリット

・雨音が響きやすい
・夏場に暑くなりやすい
・小さな傷や凹みができやすい
・錆びやすい